FileMaker 12とスーパーコンテナーの比較

FileMaker 12 and SuperContainer: A comparison - http://www.360works.com/articles/detail/208
この内容は開発元360Worksの上記記事から日本語に意訳したものです(2012年5月27日現在)

最近リリースされた、FileMaker 12の数ある新機能の中でも、強化したオブジェクトフィールドの外部保存は重要な機能の1つです。このオブジェクトフィールドの強化により、データベースのファイルサイズの肥大化を回避し、オブジェクトフィールドのデータを簡単にデータベース外部に保存する事ができるようになりました。 

この問題を解決する事は、これまで360Worksにとってはスーパーコンテナー開発の原動力となっていました。スーパーコンテナーは、FileMakerのインターフェイスでWebビューアを使ってデジタルデータを管理する製品です。

この記事では、FileMaker 12の強化したオブジェクトフィールドとスーパーコンテナーのそれぞれの特徴について比較します。今後のみなさんのソリューションの方向性を決める手がかりとして参考にしてください。

FileMaker 12 およびスーパーコンテナーの両者が提供する機能
ファイルサイズが小さいFileMaker 12およびスーパーコンテナーともに、FileMaker ファイルのサイズを肥大化せずにオブジェクトデータを管理できる。データベースファイルは軽快に速く動作し、取り扱いやすくなる。
サムネイルの生成FileMaker 12およびスーパーコンテナーともに、ネットワーク効率を上げるサムネイルを生成することができる。
イメージファイルであればそのサムネイルを作り、mp3 や .movのようなインタラクティブファイルについてはストリーミング再生が可能。その結果データベースのスピードが最適化され、ファイル全体のダウンロードを待たずに、サーバーからユーザに少しずつデータを送信して見る事ができる。
注意:SSLの暗号化については、スーパーコンテナーはストリーミングに対してサポートするが、FileMaker Serverではサポートされない。また、PDFのサムネイル生成については、スーパーコンテナーではMac OS X Serverで運用されている場合にのみ可能となる。
インタラクティブな操作FileMaker 12およびスーパーコンテナーともに、静止画、動画の保存、PDF書類の閲覧、音声や動画ファイルの再生、イメージのサムネイル表示(すべてオブジェクトフィールドから)が可能
手元のファイルを簡単に移動、コピー、アップロードFileMaker 12およびスーパーコンテナーともに、コンテンツファイルの移動、新規フォルダ、ファイルを任意の場所にコピー、既存のオブジェクトフィールドの内容をアップロードなどの操作が可能
ユーザインターフェイスの制御FileMaker 12およびスーパーコンテナーともに、レイアウトオプジェクトの見た目のコントロール要素として、タイトル、メタ情報の表示や再描画、アップロード、削除といった機能やサムネイルのサイズ指定などが可能
ドラッグ&ドロップFileMaker 12およびスーパーコンテナーともに、ドラッグ&ドロップでファイルをフィールドに入れることが可能
FileMaker 12 のみの機能
保存場所の暗号化FileMakerの強化したオブジェクトフィールドでは、セキュア格納オプションでオブジェクトデータを外部に安全に保存できる。
この機能は、FileMaker Proでのみ読取りができるように基本ディレクトリ以下を複数のサブディレクトリにわたって暗号化(AES-128)した先にファイルを配置する。
一方スーパーコンテナーは、保存されているデータ側ではなく、転送する際に暗号化する方式である。
FileMaker GoからのアップロードFileMaker 12およびスーパーコンテナーともにFileMaker Goでの表示は可能。
FileMaker 12でのみ、FileMaker Goではカメラや写真ライブラリからオブジェクトフィールドへのアップロードも可能
シングルユーザモードのサポートFileMaker 12はシングルユーザモードでも機能する。
一方、スーパーコンテナーは、サーバのコンピュータにアプリケーションがインストールされている必要がある。
スーパーコンテナーのみの機能
どこにでもファイルを保管可能スーパーコンテナーはファイルを保存する基本ディレクトリを簡単に設定可能。また、スーパーコンテナーが稼働しているコンピュータであればどこでも問題ない。もちろんネットワークストレージのボリュームであっても問題ない。
FileMaker Server 12 は、常にFileMaker Serverのデータディレクトリ内に保持する。(FileMaker Proの場合は、FileMaker Serverで稼働していない限りどの場所でも指定可能)
どのマシンでも運用可能スーパーコンテナーは、FileMaker Serverと同じコンピュータでも、ストレージ専用サーバとして別に運用することも可能。
FileMaker 12 の場合は、すべてのファイルはFileMaker Serverと同じ一つのサーバーにて保存する必要がある。
Webでのファイルアップロードスーパーコンテナーは、Webブラウザからアップロードボタンをクリックするか、Webブラウザにドラッグ&ドロップするだけでファイルを簡単にアップロード可能。
FileMaker 12 のオブジェクトフィールドの場合、Webでは読取りのみができる。
転送時の暗号化スーパーコンテナーは、ファイル転送時にSSLの暗号化をサポートする。
FileMaker 12 もオブションでファイル転送時にSSLの暗号化がサポートされているが、ホストするすべてのデータベースについてSSLで暗号化される。また、この場合にストリーミングのサポートは無効となる。
プラウザアクセススーパーコンテナーはWebからコンテンツデータにFileMakerのWeb公開とは別途切り分けたアクセスが可能。
スーパーコンテナーのパスは単なるURLで、ユーザはWebブラウザで簡単に表示でき、どのようなWebサイトでも使いやすい。またスーパーコンテナーのURLは、FileMakerのレコードのデータから切り離してメールで転送することも容易。
PHPやJavaとの融合スーパーコンテナーでは、PHPやJavaのAPIでFileMakerのシステム以外のものとの統合が可能。
レガシーシステムとの適合スーパーコンテナーは、FileMaker 8.5 – 11と互換性がある。
一方強化されたオブジェクトフィールドはFileMaker 12でのみ可能であり、また、オーディオや動画のストリーミングといった機能にはFileMaker Server 12が必要となる。